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まい・ふぇいばれっと・みうぢっく

第6回 「TECHNODELIC/Y.M.O.」

ジャケ写真

 第6回です。今回もYMOです。
 今回は、ホントはYMOの初期ベスト盤紹介として「X∞ MULTIPLIES」のはずだったんだけど、どうせベスト盤ならこれにしようって事で「SEALED」にしました。でも、故あって非ベスト盤である「テクノデリック」と相成りました。御了承下さいませませ。

 YMOのベストアルバムとして多くの人が挙げるのが、これの前のアルバム「BGM」ですが、俺的には「テクノデリック」の方が好きなので、こっちにしました。
 さてテクノデリックですが、これは当時発売されていたカセットオンリーの「スーパーダブル」シリーズ(名前違うかも…覚えてないんです)でもカップリングされていたことからも、ペアというか対というか、とにかくそんな関係と思って良いかもしれません。って、ただたんに順番的にカップリングされていただけだと思うんだけどね(^^)。
 当時「YMOは日本のビートルズである」なんて言い方もされていました(もっとさかのぼると「フォーク・クルセイダーズ」も言われていたみたいだけど)。そこで思うのが、「BGM/テクノデリック」ってのはビートルズで言うとこの「ラバーソウル/リボルバー」の関係ではないかと言うこと(と言うのも、FAB4は「ラバーソウル」で音の実験を試みて、それを発展させたのが「リボルバー」であると言われています。事実、ラバーソウル辺りからテープの逆回転などを組み込み、それによってライブでの再現が不可能になり、スタジオワーク一本になっています。今だったらコンピューターでも使って再現できるけど当時はまだ無理)。

 さてYMOはというと、「BGM」でそれまでの「テクノポリス」や「ライディーン」的なピコピコサウンドを期待していたファンの期待を裏切り、新たなる音へと移行しています(当時のファンからは「駄作」「失敗作」などと総スカンを喰らうが、時代がYMOに追いついていなかっただけ)。これが「ラバーソウル」で言うとこの音の実験。そして「テクノデリック」ではサンプリングマシーンを導入し、より音を発展させています(「実験・発展」という点では逆かも)。まさにこの両アルバムは甲乙つけがたい完成度を誇っています。
 それでも俺が「テクノデリック」を選ぶのは、重く暗い感じが好きだからであり、決して「BGM」が劣っている等と言った理由ではないので、そこんとこよろしく(でも「暗さ」では「BGM」の方が上と言う人が多いみたいね)。因みにメンバーはと言うと、細野・高橋両名はBGM派で、教授はテクノデリック派だったりするようです。

★★★★★★★★★★★★★★★
 さてとジャケット解説。今回のジャケ画像は現在CDとして売られている物のジャケ。当時のLPレコードで言うと2ndプレスジャケ。ほな初回分はと言うと、化粧をしたメンバー3人の顔写真の載ったジャケです(今回パスね、スマン)。これは中古レコード屋を探せば比較的楽に入手できます。というのも、本作は「BGM」からの流れであまり売れなかったらしく、殆どの人が初回分を買っておしまい。好き好んでジャケが違うだけという2nd分を買う人はあまりいなかったらしく、殆ど売れずじまいだったと言うことです。それらは流れ流れて海外へと買われていったとかって…。ト、イウノガ、“テイセツ”トナッテオリマス(他にも説がある)。俺的には逆だと思ったんだけど、顔写真ジャケの帯に「先着10万名様にポスタープレゼント!」って書いてある事からも、顔ジャケの方が先なんだろうな。うん。
 俺はと言うと、こっちの民族ジャケのも欲しかったんだけど、見つからなかったんで買えませんでした。時期的には2ndが出回っているであろう時期だったんだけどね。事実、レンタル店では民族ジャケのLP見たし。


01.Pure Jam
 「今までにこんなかわいくないパン/食べたことがない」とは、当時の所属レコード会社・アルファレコード1階にあった「BAN」と言う喫茶店のジャムトーストの事を歌っていると言うのは、ファンの間では有名な話。やたらと分厚いこのトースト、その見てくれから不味そうに見えるとこから作られた歌詞とのこと(実際は、そんなにまずくはないらしい?)。タクシー無線のような“神様”の声が印象的。邦題「ジャム」。尚、「Jam」とはイギリスのスラングで「偶然」という意味を持っているとの事。

02.Neue Tanz
 「テクノデリック」とは「テクノ」と「サイケデリック」を合わせた造語。そういう意味ではこの曲が一番「テクノデリック」っぽいかも(あくまでも俺的意見)。バリの民族音楽である「ケチャ」を取り入れた曲。邦題「新舞踊」。

03.Stairs
 機械のサンプリング音が入ることもあってか、重く感じる曲。また、ウィンターライヴ’81のビデオでは工場の映像が織り込まれるために、自然と工場のイメージが脳裏をよぎる一曲でもある。歌詞としてはこのアルバムの中で一番好き。曲としてもこの重暗さが良いのです。ウィンターライブのビデオでは細野晴臣がベースを弾いているのが見ることが出来る(カッコイイんだな、これが)。邦題「階段」。

04.Seoul Music
 「新舞踊」同様、民族音楽風な曲。やっぱりケチャなのかな。リズムを刻む人の声はサンプリングされた物(って、そんなのわかるわい!)で、そのサンプリングが多用されたこのアルバムは、日本初のサンプリングアルバムだそうです。このサンプリングも、既存の楽器の音を鳴らすのではなく、例えばドラム缶を叩いた音をサンプリングするといった、当時は誰も思いつかなかった使い方をしています。邦題「京城音楽」。尚、現在「京城(けいじょう)」という言い方は好ましくないとの事。歌詞を見るとちょっと深いものがある。

05.Light In Darkness
 本作初の完全インスト曲。サンプリングされたドラムの音がアフリカ音楽っぽい感じ。曲としては美しい旋律を奏でてくれる。邦題「灯」。LPではA面ラストの曲。

06.Taiso
 レコードをB面にひっくり返すとそれまでの曲とは違った、お気楽な曲が飛び込んでくる。それがこの「体操」である。って今レコードじゃないから『B面』って死語だね。俺はと言うとLPで持っていて、なおかつ好きなアルバムはCDでも買い直しました(もっと言っちゃうと、その前はカセットで集めていた)。さて体操だけど、簡単に言っちゃうと“テクノ版ラジオ体操”ってとこでしょうか。ウィンターライブではステージ上に男女のダンサーが登場し、教授の拡声器による号令に合わせて“体操”を披露するといった演出がなされていました。邦題「体操」。シングルカットもされた(B面は「手掛かり」)。

07.Gradated Grey
 落ち着いた感じの曲。作曲者・細野晴臣のお気に入り曲で、俺もお気に入りである。昔は「灯」が「テクノデリック」の中で一番好きだったけど、今はこれ。アウトロの尺八のようなかすれた音が渋い。邦題「灰色の段階」。細野晴臣の低音ヴォイスが冴える(?)一曲である。

08.Key
 ライブではおなじみの曲で、いくつかのTVでも(テープ演奏などで)披露された。ひどいのがフジの「俺たちひょうきん族」に出演したときのもの。ユキヒロ、ギター持ってるんだもん。でも曲の格好良さと言うことでは「テクノデリック」で一番か。散開ライブでの、両サイドからの指さしはちょっとアレでした(もっとアレだったのは“ライディーン・コール”ね)。「体操」のカップリングとしてシングルカットされた。普通ならこっちがA面だろうけど、それをやらないのがYMO的。邦題「手掛かり」。

09.Prologue
 「プロローグ」というには寂しすぎな曲。次の曲「エピローグ」と続き物になっている。ビデオ・ウィンターライヴ’81ではOP曲として使われている。邦題はズバリ「前奏」。

10.Epilogue
 アルバム最後を飾る、まさに「エピローグ」。前の曲「プロローグ」から続いているため、寂しい感じがするのはしかたないのだろうか。本来YMOはこのアルバムで終わるはずだったのだが、レコード会社からストップがかかり、ご存じ「君に、胸キュン。」で歌謡界へと殴り込みをかける「浮気なおじさんバンド」となってしまった。それがなければ、まさにこの曲がYMOとしてのエピローグになるはずだったのだが。ビデオ・ウィンターライヴ’81ではED曲として使われている。邦題「後奏」。

★★★★★★★★★★★★★★★

 “わかる人だけわかってネタ”として、YMOのパロディーバンドとして“OMY”なるグループがいるのをご存じだろうか?「まにきゅあ団」という名前を聞いてピンとくれば話は早い。YMOが好きなら買って損はナシです。初めはインディーズオンリーだったけど、知らない間にメジャーレーベルからもデビューしていたので、大きめのCD店で探せばあるはずです。本作「テクノデリック」のパロディーアルバムとして「テクノデリュック」なんてアルバムも出しています。(そのうちこのコーナーでも紹介する予定)
 最後はOYMの話になっちゃったけど、「テクノデリック」。気になった人は買うか、持ってる人に借りるかして聞いてみて下さい。たぶんレンタル店にもあると思う。

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